塩分過多にはご注意を

投稿日:
ポーランド/クラクフ
今思えば人生でブーツを履いたことなんて、幼少期に家族でスキーに行った時くらいのものだ。雪の滅多に積もらない京都にすむ私が、「足を寒さから守ろう」「滑りにくいものを履こう」などという考えに及ぶはずもない。そのようにして、常に摩擦から解放され、何者にも縛られずに悠々と生きてきた我がくるぶしが、ここにきて悲鳴をあげるのも無理はない。
今日はヴィエリチカ岩塩坑に行くと決めていたので、それなりの距離を歩くことを余儀なくされるであろうから、くるぶしに激痛を抱えたまま赴くことは非常に危険だと私が判断したことは容易に想像がつくだろう。

昨夜ブーツを購入するタイミングで捨てるかどうか迷った挙句、持ち帰ってきた腐りかけのスニーカーが手元にあることは不幸中の幸いだった。痛いか汚いか。無論痛い方を選択する余地もなく、古いスニーカーを履き、再びくるぶしは解放された。激痛も消え去った。

ヴィエリチカ岩塩坑は大変神秘的な所らしい、という情報だけを携えてバス停へと向かう。アウシュヴィッツに行く時に利用した大きなバスターミナルではなく、ガレリアクラコフスカの前あたりにある路地の普通の停留所から304番のバスに乗りこむ。バスの料金は3ズロチくらい。所要時間は30分くらい。
バスは岩塩坑の入り口の手前あたりで停止した。
チケット売り場
岩塩坑内はガイド付きでのみ見学可能であり、1時間ごとに行われる英語のツアーに参加することに。ツアー料金は2000円ほどであった。ポーランドの物価の安さに慣れていたため、この価格は驚愕に値するのだが、これまでほとんどお金を使っていないため、今回に関しては目を瞑ってやることにした。
ツアー開始
ツアーは狭くて急な階段をひたすら降り続けるという作業によって幕をあける。この時点でまず、日頃の運動不足が露呈されることになる。運動不足が露呈された参加客がこのツアーから生還することは不可能である、と言ったら過言にもほどがある。さらに岩塩坑なだけのことはあり、壁などの岩はとにかくしょっぱい。これによって塩分過多になることは必至である。塩分過多によって生活習慣病の餌食になったとしても、岩塩坑側は一切の責任を負ってはくれない。
クラクフにやってきてから日本人を一度も見なかったのだが、なんとこのツアーに日本人3人組が参加していた。卒業旅行か何かであろう。しかし男1人女2人から構成されるその3人組は仲間意識が強いのか、はたまた男の、女に対する独占欲が強いのか、日本人である私を見ても話掛けてくれさえしない。
私は基本的に人見知りであり、また、ここで彼ら男女の仲を乱すことは不謹慎にもほどがあるということで、こちらから話しかけることはしないと断固誓ったのであった。
彼らからすると楽しいのであろうが、一方で側から見るとなんの面白みもない会話を右から左に受け流しながら、岩塩坑の奥へと突き進む。
ツアーガイドによるとこの岩はカリフラワーとかポップコーンなどと言われているらしい。天然の塩味ポップコーンである。
私はポップコーンには目がない。映画館ではもちろん、家でDVDを見る時も、さらにはお菓子を買う際にはポップコーンが必ずつきまとう。そしてポップコーンの味はやはり「塩」である。キャラメルやバターなんちゃらが横行している現代において、今一度塩味の価値を再確認せねばならぬ。そういう思いを持ってこの度天然塩味ポップコーンの聖地である、ヴィエリチカ岩塩坑を訪れた次第である。ポップコーンに思いを馳せながら、坑道をさらに進む。

彫刻があったり、礼拝堂があったり、他にもいろいろあった気がするが、だいたいにおいてこんな感じである。ただ全て岩塩で作られているのがすごいね~と言いたいのである。また、坑内にはレストランやお土産屋もあったりする。土産屋でとりあえず岩塩を購入しておいた。
これでクラクフ第3の目的である、ヴィエリチカ岩塩坑の全貌を明らかにするという行為は完了したかに思われたが、あとから希望者限定でさらに奥深くへといざなうツアーがあることを知った。しかし塩分過多で取り返しのつかない事態になっては元も子もないので、行かなくてよかったと、今でも自分に言い聞かせている。
そうして生還不可能と言われた岩塩坑からかろうじて脱出に成功した私は、ちょうどやってきていたバスに見事に乗り遅れ、一時間後にやってくるバスに乗って帰還した。
さすがに今日の夕飯もスーパーでは味気ないので、ARSホステルのスタッフにお勧めの食べ物を聞いてみると、「ザピカンカ」がお勧めだという。ポーランド風ピザらしい。ユダヤ人街にお店があるとのこと。
最もベーシックなタイプのものを頼んでみた。
ピザであった。
それ以上のコメントは必要なかろう。しかし種類が多いことと、サイズがかなり大きいこと、とにかく200円弱と安いことを総合的に鑑みれば、著しくコストパフォーマンスの良い食べ物だと言える。なので非常に気に入った。
そうして宿に戻り、余っているビールを飲み、余っているハムを食べながらゆったりと過ごしたのち、調子が悪いのか、ぬるま湯しか出ないシャワーを浴び、「明日こそ頼むぞ」とくるぶしを労わりながら眠りについた。
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