明らかなる全貌

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依然としてポーランド/クラクフ
クラクフ滞在も本日で5日目となるのだが、やはり2日目時点でクラクフ旧市街の全貌を明らかにしておかなくてよかったと心から思う。だがしかし、明らかにすべきところを残しすぎている点もまた否めないのである。したがって、明日早朝
ロンドンへ赴く私にとって、実質的に本日がクラクフ最終日となるから、意地でも全貌を明らかにしたいところだ。
まず、歴史的教養を深めるために、オスカー・シンドラーの工場へと探究心の矛先を向けることにした。オスカー・シンドラーの工場はヴィスワ川を挟み、我がARSホステルから東におよそ2kmほどのところに位置する。
また、今回は2日前のデビュー間もなく私の体に適合できず敢え無くベンチに退いた新人の「ブーツ」に改めてチャンスを与えてやることにした。彼の加入によって共存不可ともっぱら噂され実際に悲鳴をあげ続けてきた古参の我がくるぶしもさすがにそろそろ受け入れてくれるのではないか、という期待を抱き、半ば強制的ではあるが、この2km強の道のりを歩くことにした。
ところで、オスカー・シンドラーについて皆さんはご存知であろうか。映画「シンドラーのリスト」で有名な、あのオスカー・シンドラーである。当時私もあまり詳しく知らなかったため、調べてみたのだが、それに関して大変親切な記事を偶然発見したので、今回そちらを参考にしてもらいたい。オスカー・シンドラーの件以外にも世の中のあらゆる事象に関して無償で情報を提供してくれている記事だ。あっと驚くこと間違いなしである。
【オスカー・シンドラーについて】
【シンドラーのリストについて】
さて、足の状態はというとすこぶる快調であった。先日の靴擦れの痛みは何処へやら、すっかり適応してくれたようである。これでようやくブーツを戦力としてみなすことができる。
想定の範囲内で方向音痴を発揮しつつ、通常25分ほどで到着できるところを40分ほどかけて工場までの道のりを踏破した私は、悲しげな空気に満ちたその工場の佇まいに息を飲んだ。
ここは現在博物館となっているため、当時の工場のままではない。展示されている資料は、戦前から終戦までのポーランドにおける、ユダヤ人やドイツ人を含む人々の生活の全貌を事細かに記している。

ここでは強制収容所へ連行されるまでの生活の様子が強調されている。日に日に人としてのアイデンティティを否定されていくユダヤ人たち。その絶滅へのシナリオは非常に理不尽なものである。オスカー・シンドラーはユダヤ人1000名以上を自らの工場で働く労働者として収容所連行から守り、救った者として後世に語り継がれている。さらなる詳細については前述の良心的な記事を読んでいただきたい。
この博物館にもアウシュヴィッツとともにポーランドに訪れる際には必ず足を運んで欲しい。これらへの教養を欠いておいて、未来の平和を語ることは不可能である。
昼過ぎに一旦ARSホステルに戻り、再び全貌を明らかにするミッションに取り掛かる。昼飯は適当にケバブを貪り、謎に包まれた織物取引所の調査を行う。あろうことか織物取引所内部に関する写真が皆無であるが許してほしい。
こちらは以前にも載せた写真である。
中では食器や琥珀細工、絨毯やテーブルクロスなどの雑貨が売っている。屋台のような感じであるが、ほぼ全店クレジットカード決済OKな、最先端屋台群である。欧州はなぜかこのように決済に関して日本より進んでいることが多い。
ここでお土産を買いたいという衝動に駆られるわけであるが、今回無謀にも25リットルのバックパックで旅を続けている私にとってお土産を買う、などという選択肢は存在しないのである。そんなことをしていたら、あと2回も利用するライアンエアで苦労することは必至である。
だがしかし、常日頃あとからなんとかなるだろうという幻想に取り憑かれた状態を20年間維持し続けてきた私は、やはりお土産を買ってしまった。のちに荷造りをしたところ、キャパオーバーになってしまったことは言うまでもない。また、その瞬間ですらもあとからなんとかなるだろうと楽観的な姿勢を貫き通したことも言うまでもない。
基本的に世の中はなんとかなるのである。
そうしているうちに夕方になり、いささか早い気もするが夕飯とする。滞在5日目にして初めてレストランにて食事をすることを試みる。
まず最初にビールを頼み、突き出しとして出てきたのはパンとペースト状の何かしらである。ペースト状のものが何かは今でも謎に包まれたままであるが、うまかったことは覚えている。
次にパンの中にスープが入ったものが登場。ポーランド料理にスープは欠かせないとのこと。これは本当に美味しかった。
最後にメインとして現れたのがこの「ピエロギ」という料理。見た目からして餃子、もしくは水餃子などと思われる方もいるだろう。実はこれ、水餃子のような餃子である。要するに餃子に含まれる水分の比率がどちらでもないのである。この食べ物に関するこれ以上のコメントは控えたい。
これも全貌を明らかにする作業の一環である。このようなよくわからない食べ物に出会ったとしても、それを受け入れる寛大な心を持ち合わせることが求められる。また、これだけ食べても1000円ちょっと、というから驚きである。

さあ、これでクラクフの全貌は明らかにできただろう。

実際に明らかにできたかどうかは大きな問題ではない。明らかにしたことにしたと思い込むことに成功することが大切である。
少し早いが明日は6時には起きる必要があるため、宿に戻って身支度をして寝る用意をしようとしていたが、隣のベッドに日本人がやってきていた。名を「タク」という。彼に誘われ、ポーランドでは有名な「はちみつビール」を飲むべく、近所のバーへ訪れる。

なかなかうまかった。はちみつビールが有名などというコアな情報を持つ彼は只者ではない。彼なら私の意志を継いで、より詳細に全貌を明らかにしてくれることだろう。
そうして楽しい夜を過ごした私は、彼にその強い意志を託し、全くバックパックに収まらない荷物達と壮絶な戦いを繰り広げた末、諦めて寝ることにした。
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