標準時目撃録

投稿日:
イギリス/ロンドン
一人旅のいいところは紛うことなく、主に一人であるということだ。主に一人であるということは、昨晩の私のように時たま誰かと過ごすこともあるが8割方一人であるということだ。誰かといるのも楽しいことではあるが、一人で過ごす時間もまた有意義なのである。いや、私の場合、常に誰かといることは億劫であるからとも言える。そのようなドライな面も持ち合わせているのである。

今日は世界の標準時を示すというグリニッジ天文台へ行くことにさっき決めた。いくらなんでも「ここが世界の標準時だ!」とのたまうとは実に傲慢である。今でも世界のどこかでは「我こそが標準時子午線だ!」と抗議する者もいるのではないだろうか。そしていつしか世界中が標準時子午線をめぐって戦いを繰り広げる日が来るだろう。

ロンドン市内からグリニッジへの行き方は忘れた。多分電車だ。ロンドンのどこかの駅から、何分間か電車に揺られ、何回か乗り換えをしたら(乗り換えはなかったかもしれない)グリニッジへ行くことができる。
グリニッジの街並み。
非常に落ち着いた場所である。
途中海事博物館なるものに遭遇。
まずまずのスケールである。
こんなものを目の当たりにして興奮しない男児がいるだろうか、いや、いないに決まっている。
その先に姿を現わしたのは、グリニッジ天文台である。
なかなか趣深い佇まいである。
標準時。
今ここで私は世界標準時の目撃者となった。こんなにいとも簡単に標準時を目撃できるなんて思っていなかった。拍子抜けしたあまりに、標準時子午線がどこであろうと、もはやどうでもよくなった。というか元からどうでもよかった。
あたりは工業地帯か。
腹が減ったので下界に降り立ち、そこで催されていた万国食の博覧会的要素を持つ市場で食事をすることに決めた。和洋折衷あらゆる国の食べ物が集結していた。もちろん寿司をゴリゴリと握る日本人の姿もあった。
こんなものを食べてみた。
たしかポルトガルのなんちゃらかんちゃら。なんとも言えない味であった。グリニッジでは他にも何かしたような気もするが忘れた。

ロンドン市内に戻り、やはりアビーロードには行っておかねばと思い向かった。

私の父親は大のビートルズファンであり、家でも車でも狂ったようにビートルズを流し続け、長らく家族からの反感を買っていた。私も反感を訴え続けた人間の一人だったが、やはりこの年になるとビートルズの良さもわかってきたのかiPodに入れてエンドレスで聞いていた。イギリスのテーマソングはビートルズだろうと言わんばかりに。

途中、ベイカーストリートでメトロが止まったので、なんとなく降車してみた。
ベイカーストリートといえばみなさんご存知のアレである。
こんなのもあった。
もちろんあんまり興味はないから入っていない。ちなみに亡霊はいなかった。
やってきましたアビーロード。
ビートルズが収録をしたというスタジオも。
ここに来たら、かの有名な横断歩道を渡っている姿を写真に収める、という行為に出たいところだが、何せ一人であるゆえそれは控えた。代わりに楽しそうに渡っている群衆をフィルムに収めておいた。
この群衆にはあのジャケットの写真を再現しようという気が微塵もない。いや、微塵もないことはないか。少しはあるからこのような中途半端な横断方法を取っているのだ。彼らはビートルズを知らない。ビートルズはカメラ目線なんて取らない。愚かだ。「愚か極まりない!」と横断している群衆を羨ましく思いながら、赤い二階建てバスに乗って帰った。
この日のこれ以降の記憶はない。
ロンドンも残すところあとわずかだ。
明日は一体何をしよう。
押すべからず
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