アルバイシンの夕陽

スペイン/グラナダ

 グラナダには朝っぱらから豪快にチョリソにかじりついている輩がいるという。
 私だ。
 なかなかアルハンブラ宮殿に行こうとしない私を見て、ラファエルは心配そうにしていたが、師匠から遊び方を教わった私はアルハンブラのことなど忘却の彼方であった。昼過ぎに家を出て、本能の赴くままに歩を進めた私は飲食店が軒を連ねる広場に躍り出た。師匠曰くここは観光地の喧騒から離れた穴場スポットで、どこもハズレはないという。穴場スポットだが親切な私はみなさんにも教えて差し上げようと思う。

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上記の場所である。プラザカンポデルプリンシペ?という広場だ。メルカドーナの場所まで記しているとは親切が過ぎると思わないか諸君。

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グラナダにはペイントアーティストが多いらしい。

 昼前ということもあるのか、どの店も閑散としており、私は一瞬師匠の言っていたことを疑った。とりあえず適当な店に入り、カウンターで昨日と同じように注文を唱えた。タパスにカルネは要求しなかった。

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 アルハンブラヴェルデではなくエスペシャルが出てきた。

 確かにスペインのタパスはどれもこれも美味しい。まさに私のためにあるような食べ物ばかりだ。ひょっとしたらスペイン自体が私のためにあるようなものなのではないだろうか。私はスペインを「たろゑもん自治区」に統合する計画を今後先5年間にわたって練ることにした。5カ年計画だ。もちろん誰にも申請するつもりはない。

 師匠に与えられたもう一つのミッションである、革製品の買い物を行うためにほろ酔いのまま”えるこるていんぐれす”という百貨店を訪れた。”えるこるていんぐれす”はスペイン全土に店舗を構え、百貨店業界を牛耳っているという。さっそく革製品売り場を眺めていたのだが、確かに安い。そして上質だ。師匠からは両親へのプレゼントとして手袋をすすめられたので手袋を探した。メイドインスペインで表がラム革、内側がラビットファーのもので50ユーロ程度だというから驚きである。わずかな予算のうち親へのプレゼントにこのような上質なものを購入する私は親孝行の化身と言っても過言ではないだろう、そうだろう。

 ”えるこるていんぐれす”を約2時間ほどかけて徘徊した後、広場で30分ほど何も考えずにただぼーっとしていた。私の思考は完全にストップした。人生のうちで赤ん坊の時期と睡眠中を除けば、この時間ほど何も考えていなかったことはないというくらい何も考えていなかった。人生で最も幸せな時間の一つだっただろう。

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暇だったからこんなものも食べてみた。

 あたりが午後の陽気に包まれる中、私はアルバイシン地区を訪れることにした。アルバイシン地区とは、グラナダ市街の北部に位置する、白い家が立ち並ぶ丘陵地帯である。アルバイシン地区に近づくほど、アラブの香りが強くなる。もともとはイスラム教徒の居住区であったという。もう面倒くさいから写真を列挙しようと思う。

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 丘をどんどん登っていくと、グラナダを一望できる見晴らしの良い場所にたどり着く。この丘陵地帯のどこかに師匠も穴を掘って住んでいるのかと、師匠の家を探してみたくなったが、丘の中腹部では黒人が太鼓を叩きながら雄叫びに近い歌声を張り上げていたから、この辺りを深く散策すると自分もここに穴を掘って住まうことを強要されそうだったので控えた。

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 アルハンブラ宮殿もここからならばっちり見える。これでアルハンブラに行ったことにしておけばいいだろう。

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 やがて日が暮れ始める。

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 こんなに綺麗な夕陽を見たのは初めてである。アンダルシアの大地を焼き尽くすかのような重厚感のある夕陽は、グラナダの街により一層の哀愁を漂わせる。これを見ることができただけでもグラナダに来た価値があるのではないだろうか。

 これでもう思い残すことはない。帰り道に再び”LA CUEVA”に立ち寄り、今度は「ウノ チョリソ デ ドゥルセ」と唱え、昨日と同じ親父に包んでもらった。

 明日はグラナダを出発し、ネルハという街に行こうと思う。世界で一番美しい村があるそうな。

綺麗な夕陽に免じて押してください。
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