それ以上でもそれ以下でもない町

モロッコ/シャウエン

 シャウエンの町はなぜ青いのだろうか。読者の皆さんの中にはそんな疑問をお持ちの方もいるだろう。だが私にその答えを期待することは、猿に”三平方の定理”を教えてもらおうとすることぐらい危険である。しかし私もたまには読者の皆様の期待にも応えなければならないゆえ、ちょこっとググってみた。その結果、皆様に教えることができるのは「どうやら諸説あるようだ」ということだ。諸説の内訳はご自分で調べていただきたい。私の場合、諸説あるとわかった時点で何もかも面倒くさくなり、「シャウエンがなぜ青いのか」ということに関して、いったいどの説が正しいのかなどの議論を繰り広げる気力もなくなった。新たな説を展開してやろうかとも考えたが、そんなことをしていると世の中の物事は全て諸説まみれになってしまい、毛足の長い絨毯の上にぶちまけてしまった塩胡椒くらい収拾がつかない。

 町は山の上に位置していることに加え、路地は狭く日当たりも悪いので、少し肌寒い。散歩を開始した私は、ファインダーを覗き込むに余念なく、一眼レフと完全に一体化した状態でメディナを徘徊していた。どこを写真に収めても絵になるような風景の美しさは筆舌に尽し難く、ロマンチックファンタジーな光景を追い求めてやまないおなごであれば何日でも滞在できるに違いない。

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 ありとあらゆる青い壁の写真を撮り、ありとあらゆる土産物屋を物色し、広場で男の子とサッカーボールを蹴りあい、現地の女性にカメラを向けると嫌がられ、道草を山盛り食い散らかしていた私の手には気づけばバブーシュの入った袋がぶら下がっていた。

 そうして迷宮のような道を彷徨っていると、とうとう何度も同じ道を通っていることに気がつく。それはシャウエンの町を制覇したことを意味していた。あとは丘の上に登ってシャウエンの全貌でも捉えておけば良いだろう。

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 丘の上からのシャウエンの町は真っ青ではなかった。もしもシャウエンの全てが「青色じゃなきゃやだ!」というおなごがいれば、決して丘の上には登らないことをおすすめする。

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 このようなゴミ溜めも存在する。こういうところから目を背け、綺麗なものだけを見るような子には育って欲しくない。

 時刻を見るとまだ5時前だった。そしてすでに私はシャウエンに満足していた。散歩に出かけたのが2時ごろだったから、およそ3時間で観光しきってしまったことに驚きを隠せず、私は急遽明日、別の町へ移動することに決めた。もちろんシャウエンは魅力的な町だ。しかし「青い」というそれ以上でもそれ以下でもない感覚は、これ以上滞在する理由とはなりえなかった。

 行きのバスで一緒だった女性と5時に待ち合わせをしていたので、集合場所の門前まで赴くと、彼女がさらに日本人女性2人を引き連れて現れた。なんじゃこりゃ。みなさん同じ宿に宿泊されていたそうで、女子会に混じるような形でワイワイと過ごした。ご飯の前に私は明日のフェズ行きのバスのチケットを買いたかったので、バスターミナルまでついてきてもらった。CTMの窓口で13時発のチケットを購入した。

 女性陣は驚くほど楽しそうに、なんでもない建物や風景まで写真に収め、常に「かわいい」という単語を連発していた。あんまり「かわいい」と言い過ぎるものだから、彼女らはそのうち「おはよう」の代わりに「かわいい」と言ってしまったりしないかと危惧していたのは私だけだっただろうか。

 日も暮れ始めたので、メディナ内の適当なところでみんなで夕食とする。モロッコといえばタジン鍋だ。私はサラダとラム肉のタジンとフルーツのセットを注文した。

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 サラダもタジンも見事なまでに美味しかった。スペインでは肉と酒ばかりだったから、お通じに一抹の不安があったのだが、これで健康体へと戻ることができるだろう。
 あまり夜遅くまで出歩くことは女性陣にとっても良くないだろうから、食べ終わるとすぐに解散した。
 宿に戻る途中、「ハシシ、ハシシ」と声をかけてくる若者が現れる。シャウエンは大麻の産地としても有名なようで、ヨーロッパからそれ目当ての観光客も多いという。

 宿にたどり着き、ユニットバスにも程遠い汚い設備のシャワーを浴び、猫と戯れながら寝床についた。

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