太鼓を買いました

モロッコ/フェズ

 モロッコでは”アザーン”というイスラム教における礼拝の呼びかけがしばしば肉声の放送で流れる。時にはそれは早朝5時頃に大音量で響き渡り、大学入学以来そのような時間帯に目覚めた状態で存在する自らの姿を認めたことのない私にとっては拷問のような仕打ちであった。夜は遅くまで太鼓を打ち鳴らし、朝は早くから町内放送を流し、眠らない街フェズの名をほしいままにしていた。

 モロッコにやってきた当初こそアザーンに叩き起こされていたのだが、睡眠中の私の耳の適応能力は一般人のそれをはるかに凌駕するゆえ、フェズに来てからは5時のアザーンが聞こえてきた記憶はない。一時は日本に帰ってからの目覚ましの音声をアザーンにしてやろうかとも考えたのだが、どうやらこれでは役に立たなさそうだ。

 さて、今日は21時頃の夜行バスでメルズーガへ移動することとなっている。今回はフェズ最終日に行なったことを記述していこうと思ったが、そもそもこの日は何もしていなかったので書くことがない。だらだらした記事になってしまうことをお許しいただきたい。

 朝目が覚めて、いつものようにあほな顔をしているとお昼になっていた。今日も隣のオレンジジュース屋の主人はご機嫌だ。今晩メルズーガに行くことを伝えると少し寂しそうなそぶりを見せる主人を見て私は一方的に彼を友人として認めた。

 アラディンが帰ってきていたので、格闘ごっこをして遊んだ。彼は学校の宿題がたまっているのにもかかわらず私と遊んでいたため、ママにものすごく怒られて泣いていた。私は心の中で「アラディンよ、大志を抱け」とつぶやいた。

 アラディンが宿題をしている間、ダイスケ氏やヨーコ氏と話をしたりしていたが、その内容は皆目覚えていない。

 宿の軒先に店を出すおばちゃんの隣でちょこんと座っていると、白い猫が現れ私のズボンにすりすりしてくる。非常に愛くるしいのでこちらからもズボンをすりすりしてやると非常に気持ちよさそうにする。なんだこいつはかわいいなあ!と思ってどんどんすりすりしてやると、私のズボンは毛だらけになっていた。

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毛が薄いのでおばあちゃん猫だろうか。

 よくわからないが気がつくと夕方になっていた。この日は宿の周辺からほとんど動いていない。

 刻一刻とフェズを去る時が迫っていたが、やはり最後まで気になるのが太鼓である。私も太鼓が欲しい。彼らのように愉快に太鼓を打ち鳴らしたい。

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 その旨をオーナーに伝えると、アラディンを連れて私の太鼓を買いに行ってくれた。地元の子供が太鼓を買いたいとなるとそれはもちろん地元価格になる。太鼓を持ち帰ったオーナーは15DH(200円くらい)だったよと言った。もし私が買いに行っていたら100万円くらい取られていただろう。

 念願叶って太鼓を手に入れた私は、アラディンとそれを叩いて遊んでいた。

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 買ってみてから気づいたが、どう考えても邪魔である。いつ使うかも不明である。

 さて夜19時頃になり、いよいよ出発の時がやってきた。

 そういえばメルズーガの宿「オアシス」に泊まることにしていたのだが、オーナーが向こうのスタッフと知り合いということだったので、宿泊の予約をしてもらった。どこまでも優しく親切なオーナーだ。

 ホテルアガディールは是非とも読者の皆様にもおすすめしたい。ここまであたたかい宿は初めてだ。オーナーは非常に信頼できるし、ママは怒ると怖いがたくましさを感じる。なんせアラディンが可愛くて仕方がない。

 アラディンたちとの別れを惜しみながら、そして流れる気配のない涙をこらえながら、私たちはバスターミナルへと向かった。

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