ロード・トゥ・マラケシュ

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 ロード・トゥ・マラケシュ。この物語は、とあるたろゑもんが「神の国マラケシュ」へ向かう道中体験した過去最もスリリングな長距離バス移動のお話である。減速を知らない運転手、飛来する氷の礫、突如迫り来る断崖絶壁、容赦なく襲い掛かる腹痛。神の国へ入国するための試練としか思えないような、あの凄惨な悲劇を二度と繰り返してはいけない。そう心に誓った体験であった。
※全て虚言及び誇張表現です。

 さて、大げさな前振りはこれくらいにしておこう。
 昨晩のクスクスとの激闘の後、宿に戻った我々は次なる町、マラケシュを目指すべく、ノリコさんにお願いして翌日のバスを手配してもらった。思い返せば、フェズ〜メルズーガ〜トドラ間では全ての手配を人に任せっきりにしていた。他力本願主義の私にとってはこの上なく素晴らしい環境であったのだが、そんなことだからいつまでたっても自立のできない人間になってしまうのだ、と言われてしまえば弁解の余地は1ミリもない。
 ちなみにノリコさんにお願いすれば、西はマラケシュ、東はメルズーガ、北はフェズと、諸々の手配をしてくれるので、他力本願主義の同志は全てを委ねて良いだろう。

 トドラ、もといティネリールからマラケシュまでは約7〜8時間、スープラトゥールのバスが出ており、料金はおよそ140DHである。今回はヨシオカさん、ヨシコさんも一緒にマラケシュを目指すと聞き、生来寂しがりやの権化である私は喜びをあらわにした。
 マラケシュはベルベル語で「神の国」という意味だそうだ。なぜ神の国と言われているのかは私の関知しないところである。

 そんなことよりも、マラケシュといえば「お買い物」である。私は砂漠での行動を共にしたお姉様方二人にそう叩き込まれてきた。
 今頃あの二人は多種多様なモロッコ雑貨に心を奪われ、店の男どもを籠絡し、大阪のおばさんばりのがめつさと脅し文句でマラケシュのメディナを震撼させ、「マラケシュにヨーコ氏とキョーコ氏あり」と言わしめていることだろう。
 私はその二人のがめつさに便乗する形で様々な雑貨をハイエナのように貪る予定だ。

 ノリコさんの宿の前からミニバスでティネリールまで移動し、バスが来るまでオフィスで待機させてもらう。しばらくして時間に遅れてやってきたバスに乗り込んだ我々は、眠ったり眠らなかったりしながら車中の時間を過ごした。

 なんの変哲も無い荒涼たる風景にはさすがに飽きてきた。道中、アイトベンハッドゥとかいう泥の塊で有名なワルザザートという街を通り過ぎ、いよいよオートアトラスを超えていく。

 しかしながら冒頭で紹介した内容も虚言とは言い切れないのである。11月のオートアトラスには雪が降り積もる。
 今回我々を乗せたバスが進む道もまた例に漏れず、さらには吹雪で前方確認不能という状況であるにもかかわらず、ぐねぐねと曲がりくねる崖に沿った道のりを、運転手は速度を落とす様子も見せずに猪突猛進する。それによるバス酔いと、なぜか腹痛を一度に催した私は休憩所の汚いトイレで用を足す羽目になり、その上読み残していたアプリ版「ブラックジャックによろしく」を読破したことで精神状態も不安定になり、今は亡きダイスケ氏を恨んだ。

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 しかしそれでもお姉様方は私の到着を待ちわびているのだろうから、ここで狂乱するわけにはいかない。そんなことを考えていると気づいたらマラケシュに到着していた。

続く

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