たろゑもん、タイ障害者エンパワメント協会を視察する②【タイ1日目】

タイ/スパンブリー県ノーンヤーサイ →前回の記事はこちら

 さて、たろゑもんの視察はここからが本番である。どれほど過酷な視察になるのであろうかと、私は腸内環境への配慮に余念がなかった。
 その前に、もはや毎度恒例となってしまった母から課されたミッションに取り組まねばならない。今回のミッションというのはこれだ。
 「協会で作られた小物雑貨類を、私の全くもって洗練されずに燻っている眼力を使って選定する」である。
 協会では農業の傍、自ら雑貨を作るような人もいる。そしてタイで作られたそれを世の中に広めようという母の魂胆である。私はその魂胆に一定の理解を示し、荷物が膨れ上がることも厭わない覚悟で臨んだ。

 お目当の雑貨たちは、外気を完全に遮断した、冷気吹きすさぶ応接室の片隅で無造作に並べられていた。小物を作ったと思しきお姉さんは自らの作品を嬉しそうに紹介してくれる。

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 草木染めの生地があしらわれ、財布からカバンまで幅広く用意されている。タイのような亜熱帯では多種多様な草木染め染料が手に入ることもあり、工芸品などにもよく利用されているのだという。



 母はこれらを日本で売ってみたいと言っていた。しかしながら、うーむ、売るという観点で見ると、どれもこれも売れそうにないなあ!というのが本音である。
 私は正直に「買いたいものはない」と告げた。なぜなら彼女たちは、今は趣味の範囲であっても、将来的にこれで稼ぎたいと思っていることを聞いたからだ。
 「いらないならいらないと本音を言ってくれた方が彼女たちのためになるよ!」F先生もそう言っていた。
 もちろん何かしらの助言はしなければと思い、「草木染めの生地を徹底して使用すること」「得意なパッチワークを押し出すこと」「世の中で売れている工芸品などを見てみること」などを通して「自分の商品の特徴」を出すようにと、私のような愚か者なりに、恥ずかしながら伝えさせてもらった。
 かと言って全てが未熟であるというわけではなく、ハンドメイドならではの縫製の丁寧さには目を見張るものがあった。そこは誇って然るべきである。

 タイでは障害者が作ったものは買いたくないといったような風潮がまだまだ根強いのだという。これはそう簡単に覆せるものではない。あくまで障害者の社会的地位の向上が必須であり、そうして成熟した社会では良いものであれば分け隔てなく受け入れられるようになる。もちろん当人の頑張りがあってこそであるが、それを支える人や組織はもっと必要である。

 敬遠されるのでもなく、慈悲や同情で買ってもらうのでもなく、対等な立場で取引ができる社会になると良いなあと思った次第である。



 とまあ私なりに真面目に色々考えたわけであるが、彼女たちの将来性に投資すべく、最も技術が必要とされそうなパッチワークの小物を購入した。さらによく分からないうちにおまけだと言われカバンを授けられ、あれよあれよというまに草木染め染料となる乾燥植物も授けられ、もう日本へ持ち帰れる気がしない物量になってしまった。

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 余談だがこの写真の真ん中のRosell(ローゼル)というものを紹介しようと思う。
 日本ではあまり馴染みのないローゼルは、タイではハーブティーやジャム、化粧品等幅広く活用されている植物である。もともとは西アフリカが原産だという。
 私は出されたハーブティーを口にして、「甘くて酸っぱい、それになんと濃厚なことか!」と思わず呟いた。
 濃度に関しては作り手の加減の問題であるが、甘味と酸味の強い、いかにもビタミンCが豊富そうな味わいであり、女性受けすること間違いなく、アセロラなどにとって変わってもおかしくないと思われるほどであった。



 日本での栽培は簡単ではないとO先生も言っていたが、よく分からないオーガニック食材などが人気を博している昨今、このローゼルを活用しない手はないということであった。

mbo2画像URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/ローゼル#/media/File:Mbo2.jpg

 熟するとこんな感じの実がなり、これが上記のようにあらゆるものに使われるのだという。非常に興味深い植物である。

 長々と書いてしまったが、まだ序盤中の序盤であり、時間軸的には全く進んでいない。しかし簡潔に書くには勿体無いので、長い目でお付き合いしてほしい。

 次回からは、牛やカエル、キノコやナマズなどが登場しますよ。物好きな人はお楽しみに。

 

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