たろゑもん、タイ障害者エンパワメント協会を視察する④【タイ2日目】

タイ/スパンブリー県ノーンヤーサイ

 皆さんの気持ちを代弁しよう。「たろゑもんはまだこの連載を行なっているのか!」「一向に進んでない!」「まだタイ2日目じゃないか!」
 彼は短距離型なので長期戦にめっぽう弱い。しかし短距離と言えども、鈍足である。つまるところ手の施しようがないのであるが、頑張っているのでそんな罵詈雑言は心の中にしまって応援してあげてほしい。
 走れ、たろゑもん!鈍足で何が悪い!

 2日目は大雨であった。
 9月の東南アジアは雨季真っ只中であるため、ここまでほとんど雨に降られなかった私は非常に幸運であると言える。
 支度をして、最後に忘れ物はないかと部屋を見て回ると同時にぴょこゑもんを探して見たが、その姿は見当たらなかった。まあ可愛い子には旅をさせよと言うのだから仕方ない、応援しているぞ、ぴょこゑもん。
 ナムアンリゾートからタクシーでファームに移動し、そこからグラーブ会長が運転する大型車に乗ってファームの外にある施設を見学する。当協会ではファーム以外にも広大な畑や養殖所を保有しており、ファームだけではできない大量栽培などは全て外で行なっている。



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 タイメロンである。タイメロンは我々が普段食べているようなメロンとは食感が異なり、かたくてシャリっとしている。糖分が低いため、甘ったるくないのでいくらでも食べられる。

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 ローゼルである。普段この時期は背丈はこれの倍以上になり、赤い果実をつけるのだというが、今年の雨季はどうやら雨量が少ないらしく、その分成長が遅いのだという。
 また、以前紹介したように、ローゼルは当ファームの目玉商品である。なんとかしてローゼルを商品化したいと思案しているところであるという。

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 蛙の養殖である。大量の蛙がびちゃびちゃと跳ね回る絵面はあまり目によろしくない。ファームの養殖所の蛙と比べるとサイズが小さい。これだけたくさんの食用蛙を一度目の当たりにしてしまうと、全ての料理に蛙の姿が見え隠れするような幻覚に襲われる。



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 こちらは車椅子に座る黄色のTシャツを着た彼が開発したその名も「車椅子に乗っている人が車に乗るときに使う装置」である。
 エンジニアである彼は自分の障害をきっかけに、同じように世の中で不便している方達の為に、自ら持ち合わせる技術を駆使して自費で開発を続けている。ファーム以外でもこのように障害者を支援する取り組みは多岐にわたる。
 病院や施設などでも試験導入されているようで、一定の成果もあげているのだという。
 一方でこのような装置は、世間一般ではすでに開発は進んでいるのだが、べらぼうな値段がする。それを一般家庭でも導入できるような価格帯で世の中に広めていくことが求められている。

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 こちらは手動タイプのものである。これの前の写真はすでに自動化されたものになる。ふざけているように見えるが、断固ふざけてなどいない。

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 このようにして利用する。
 装置そのものの重さがやや気になるが、設計や耐久性は問題なく、すぐにでも使えそうである。現在、国や企業の支援の獲得を目指しているといい、許可が下りれば素材や最新技術を含め、開発を加速させていく予定だという。こうして自分の境遇に関わらず、世の中に貢献しようとする姿勢には胸を打たれる。

 さて、これで協会視察の全行程が終了となる。ここまで前向きで、活力溢れる組織を作り上げたグラーブ会長およびファームの皆様には脱帽である。
 見学が終わったところで、最後に皆で淡水エビレストランにて昼食をとる。

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 ものすごい数のエビ料理が運び込まれ、食卓を埋め尽くすそのエビの大海を前にし、ぶくぶくと溺れてしまいそうになる。

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 こいつはナマズである。見た目がモロナマズであるため、非常にクセが強そうであるが、実際に口にしてみるとなんということか、クセしかなかった。

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 これはタニシである。こいつもクセの塊であった。

 軽く総括しておこう。
 まず今回の体験は、ツアー旅行ではありえないし、バックパッカーでもありえない、特別な体験だったということを胸に留めておきたい。
 タイにおける障害者の社会的地位に関する現状の認識、それを打破しようとする力強い組織、一人だと絶対に食べるわけのない料理、蛙と同じ部屋で寝た夜。どれをとっても思い返せば素晴らしい出来事であり、私の血となり肉となり、アキレス腱となったことであろう。

 そして、普段ぐうたらすることしか脳のないたろゑもんにとってここまで刺激的な日々を与えてくれたF先生及びO先生、ファームの皆様方に御礼申し上げ奉り候。
 また何かしらの形でお手伝いさせていただきたいと思います候。

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 激動の日々を過ごしたたろゑもんはO先生とともにバンコクへと帰還する。いつの間にか雨は上がり、雲の切れ間が見えてきた。とても2日間の出来事だったとは思えないほどに濃密な時間を過ごしたたろゑもんを、猛烈な眠気が怒涛の勢いで襲いかかる。
 バンコクへ帰ったら何をしようか。
 たろゑもんは眠った。

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