ようやくクラクフ✈︎ロンドン
昨晩、パッキングを放棄して睡眠欲を優先した私であったが、やはり早朝に苦戦を強いられた。一番のネックとなったのは古い方のスニーカーである。こいつを捨て去るか否かで迷ったのだが、元来私は「物を捨て去る」という行為が大の苦手であり、また、ロンドンでも足が痛くなってしまうとしようがないということもあり、今回は古い方のスニーカーは、同行させることにした。
したがって、いかなる方法を考えてもすべての荷物をバックパックに収めることは不可能なため、やはり今回もごまかすための方策を練ることに、全精力を集中させることにした。
そうしてついにクラクフとも別れの時が来た。全貌を明らかにし尽くした今、この街にもう用はない。私は先を急がねばならぬ。6日間籠城し続け、愛着すら湧き始めていたARSホステルとの別れのシーンは今でも心に刻まれている。
寝起きで眠そうにするスタッフにほぼ無言で鍵を渡し、デポジットを受け取った私は、何事もなかったかのようにホステルを後にした。
早朝、ガレリアクラコフスカの前から出発する空港行きのトラムに乗る。いつの間にかクラクフの交通事情にも詳しくなっていたことに気づく。
さて、荷物について問題を抱えたまま空港に到着した私であるが、今回の作戦のメインはライアンエアのスタッフを「荷物を2つ持ち込んでも良い」という錯覚に陥らせることである。
ごく自然な振る舞いで、荷物を2つ持ったままチェックインをすることで、あたかもそこにあらかじめ規定が用意されていたかのように思い込ませるのである。
そこで少しばかり工夫をする。2つ目の荷物の袋をスーパーの袋にするのである。中には土産物と土産物に見せかけた軽衣料を少しばかり詰め込む。また、それらはもちろんのことながら、できる限りの服を着込む&ガイドブックは腰に挟む、という基本的技術の上に成り立っている。
スーパーの袋であれば荷物として認識されないという独自の心理学理論を振りかざし、チェックインカウンターへ堂々と向かう。私はスーパーの袋を持ったまま、あくまで毅然とした態度を貫き通した。
が、御察しの通り、またもや荷物チェックをされなかった。
なぜだ。いい加減チェックしろよ。私の心理学理論云々の問題ではない。彼ら欧米人は根本的に違っている。決められたことをしたりしなかったりする、圧倒的優柔不断な性格をベースに、世の中のいたるところで油を売っている。しかし私はそれを実に素晴らしい国民性だと思う。よく言えば寛大である。電車の時刻や荷物の配送もそうだ。遅れても悪いと思っていない。被害を被る側も当たり前のことと考えている。それで良いではないか。
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さて、いつも通りライアンエアに乗り、ロンドン・スタンステッド空港に到着する。ロンドンの入国審査は、なかなかに面倒である。ただそれらの内容と対応策について言及することは、当ブログの趣旨に反することであるから、がっつり割愛させていただく。適当な記事を見て参考にしてほしい。
ロンドン市内へ行くにはいろいろな方法があるらしいが、今回はバスが安そうなので、ヴィクトリアコーチステーション発着の往復切符を購入した。また、大好物であるハリボーを車中のおやつとして購入した。
スタンステッド空港
おお、なんという快晴!!
年中分厚い雲に包まれているはずのロンドンがこのような表情を見せるとは、なんてついているのだろう。
ヴィクトリアコーチステーション
赤い二階建てバス。
ああ、ロンドンに来たのだと実感する。今回8日間ほどの滞在において私が選んだのはEarl’s Court YHA である。当時一泊2000円くらいだったと思う。ポーランドから来た私にとっては到底考えられない金額であるが仕方ない。
ロンドンを感じるという名目のもと、ヴィクトリアコーチステーションからメトロを利用せずに、歩いて宿へ向かうことにした。
地図もあるので30分ほどで行けると踏んでいたのだが、想定外の方向音痴を発揮してしまい、1時間以上もかけて宿にたどり着いた時には、すでに疲労困憊であった。
アールズコートYHA
いつの間にか夕方で日も暮れ始めていたので、夕食にと近所でフィッシュアンドチップスを食べることにした。イギリスと言えばフィッシュアンドチップスである。父親から全然美味しくはないぞと聞かされていたが、一応記念に食べておくことにした。
白身魚のフライであった。
フィッシュアンドチップスなどというと聞こえはいいが、実際にこの黄色の塊は、日本でいう白身魚のフライと同質であるといえよう。さらになんとたまげたことに、こいつとペプシだけで9ポンドもするのである。イギリスの物価は恐ろしく高いことがうかがえる。とはいえ量はそれなりにあるので、美味しさから得られる幸福感というものを除外すれば、満足したと言える。
そのまま近所のパブへ赴き、1パイント単位で提供されるビールを飲む。こいつはうまい。ビールは世界を救うのだ。
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