ポルトガル/リスボン
宿の朝食がなかなか豪華だ。パンや飲み物はもちろん、ハムやチーズなども食べ放題で充実している。昼ごはんの節約のためにも、ここでがっつり腹にためておくというのは貧乏旅行者にとって鉄則である。
しかし私はランボルギーニ並みに燃費が悪く、いくら食べても2時間後にはお腹が減ってしまう。
もちろん食べるものにもよる。だから常にグミという燃費節約に効果絶大な食物を、ガソリンとして常備しているのである。
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今日は西へ行こうと思う。
大航海時代のパイオニアであるポルトガルにやってきたのだから、その歴史を語り継ぐ諸々をこの目に焼き付ける必要がある。
宿からCais do Sodré駅という、メトロとはまた別の路線の通る駅まで坂を下りながら歩いていく。
毎回思うがこの道はソリか何かで滑った方が圧倒的に早いと思う。石畳だから滑りやすいし。凸凹した石畳の上を歩くのは足には負担なのだ。
「それを歩くのがいいんじゃないか!」という人もあるだろうが、ポルトで散々歩いてきた私にとって、それを魅力的だと考える余裕はない。
次にリスボンに来た時にはソリ専用の道路を設けるよう、道端のおじさんに打診してみるつもりだ。
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メトロとは路線が違うため、チャージ切符がうまく作動しない。どうやら両方で使用可能な切符を購入する必要があるようだ。そいつを券売機で発行し、列車に乗り込む。
快晴の空の下、列車は海沿いをガタゴト進む。窓に映る水面から照り返す陽光が目を眩ませる。
目的地付近のベレンという駅で降車する。
ベレンにはベレンの塔というものがあるそうで、よく知らないがとりあえず行ってみることにした。
暑い、非常に暑い。
真夏であるかのような天気だ。
のんびりと釣りをしているおじさんや、散歩をしている老夫婦がいる。
そうか、ここはポルトガルだった。
観光客が多いせいで、ポルトにいる時よりも何かとせわしないと感じていたが、こののんびりした雰囲気はやはりポルトガル特有のものであり、非常に居心地が良い。
ベレンの塔へ向かう途中、私は男のロマンに出会った。
いわゆる発見のモニュメントと呼ばれているものであり、エンリケ航海王子大先生を先頭に、大航海時代を象徴する名だたる先駆者達の姿があった。
この海は彼らが開拓したのだ。だがもしその時代に私が存在していれば、私がこの海を開拓していたことは言うまでもないであろう。
モニュメントの右側と左側では、エンリケ航海王子を除いてそれぞれ人物のラインナップが違う。
男のロマンに思いを馳せたのち、海沿いの道を再び進むと、ベレンの塔が見えてきた。
料金は学生価格で3ユーロだった。ただお金を払ってまで登る価値があるのかといわれると、見晴らしも普通だったのでなんとも答えようがないような塔であった。
そうしてベレンの塔を離れ、近隣するジェロニモス修道院をチラ見しに行く。
ジェロニモス修道院の中には入っていないが、なんだかすごそうだった。
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気づくと夕刻を過ぎていたが、まだまだ明るい。一旦リスボンに戻り、H&Mで5ユーロのTシャツを買い、雑貨屋でサンダルを購入した。
そして昨日から気になっていた、リスボン市街の真ん中あたりに屹立するサンジョルジェ城に行く。
このサンジョルジェ城からの眺めは非常に美しかった。
日が完全に暮れたところでまたまたスーパーに行き、バカリャウとパスタの冷凍食品を買って帰って簡単に調理して食べてすぐ寝た。
明日はユーラシア大陸最西端を目指す。最果ての地には何があるのだろう。
押さんかい押さんかい
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